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日本の森を元気にする議員連盟のナラ枯れと炭まきの視察

8/23,24とNPO「森びとプロジェクト委員会」からの要請で「日本の森を元気にする議員連盟」の現職国会議員の方々のナラ枯れと炭まきの視察の案内をすることになりました。以下は、その報告です。長文ですが、おつきあい下さい。

8/23勉強会
8/23勉強会
出席者:今野議員と沼澤秘書、松浦議員、相原議員、大森(理学博士/酸性雨による樹木の衰退のメカニズムの研究者)先生、森びとプロジェクト委員会の高橋副理事長、同じく理事の稲葉さん、水守人の会からは茂美さん、円、光夫

光夫がパワーポイントで1時間ほどプレゼンの後、質疑。今回は「日本の森を元気にする議員連盟」の第3回目の勉強会ということで、2回目には大森先生がレクチャーをしたということでした。そのわりには大森先生の酸性雨で樹木が枯れていく(しっかりしたデータに基づいた)メカニズムなりが、あまり理解されていないようにも感じられました。化学の話はやや難しいのか、あまりにも静かに淡々と大森先生が説明されるからなのか……。大森先生によれば、森林総研や林野庁に論文を提出しても、送り返される始末だそうで、酸性雨による森林の衰退のことをわかっているのに、受け付けようとしないような有様らしい。予算委員会などで、質問する時間をなんとか獲得して、大森先生にもご助力いただいて、林野庁に質問し、森林の衰退が酸性雨によるものであることを認めさせて、現在枯死に対しての薬剤散布による防除に出ている予算が、そのまま炭まきの予算として、各自治体からの要望にもあがってくるようになるといいですねという話が出ました。
 国会で話を進めるには、確固たる炭まきのデータの必要性があると感じた。
 大森先生の研究成果で十分立証できているはずなのに、なかなかそれが公に認められていない。そんな中でも真摯にできることをなさっている大森先生に改めて頭が下がる思いがしました。

8/23懇親会
参加者:今野議員と沼澤秘書、松浦議員、相原議員、田城議員、黒岩議員、梅津町長、大森先生、森びとプロジェクト委員会の高橋副理事長、同じく理事の稲葉さん、水守人の会からは茂美さん、一樹さん、円、光夫
 懇親会だけの参加の議員もいて、「なんのためにくるのか」と最初笑ってしまったが、議員になる前に奥日光で炭まきを実際にしていたということで、少し納得。一樹さんがナラの伐根から萌芽したものが枯れた写真を携帯で撮影して来ていて皆で見て驚く。大森先生も驚いておられた。9時半1次会終了で、七ヶ宿組は帰宅。

8/24 視察
参加者:今野議員と沼澤秘書、松浦議員、相原議員、黒岩議員、大森先生、森びとプロジェクト委員会の高橋副理事長、同じく理事の稲葉さん、役場から平賀健郎さん、山田雄紀さん、水守人の会からは光夫、午後から円と息子の大丈夫(マスラオ)、来訪中だった武術家の甲野さんも混ざる。

8/24大森先生 
水守林づくりで炭をまいた「こもれびの森」「さくらの森」など車中から説明。役場に寄って役場の2人乗車、町長と伊藤課長のお見送りを受ける。島木野の「わらじ」で炭をまいた場所で下車してしばし視察。大森先生は樹皮と土壌のサンプルを採取、「樹皮が硬いうちはまだ樹が元気なんです」ということで、樹皮をはがすのに少々苦労されていました。樹皮は硫黄酸化物などの濃度を測定するためのもの。
 その後、車中で役場の平賀さんの町の概要などの話を聞きながら、親子松に移動。枯れた経緯、炭と菌根での蘇生作業の経緯などについて説明。記念写真。
ここでも大森先生は樹皮を採取。「重要文化財が外れないと採取できないわねえ」ご安心を!外れています。

 スキー場脇の生活環境保護林視察。ここは2002~2006までの5年間、毎年7haに2.4トンの炭をまいた場所。残念ながら、1年だけまいた場所では直径40cmほどの栗の木が9分枯れ状態でした。近くに寄ってみると、まかれた炭の量がかなり少ないようなのでそのせいか?スギの実生苗が炭のあるところだけに生えている場所も見受けられました。いまひとつ、炭をまいた場所とまかない場所の違いがはっきりわかるような感じはないようでした。大森先生は、2002=2006まで土壌サンプル採取した場所をできるだけ多くもう一度採取したいということで、4~5カ所で採取。最後の最も遠いポイントは、皆に待っててもらって、私と先生だけ長距離を歩き採取。ひとつひとつのデータを積み重ねていくことへの、ただならぬ意気込みを感じました。

8/24田中ナラ枯れ

 そしていよいよ、カシノナガキクイムシが入らないで枯れているナラと、薬剤処理したナラが隣り合わせで存在する町長の裏山へ。ここで役場の山田さんに薬剤処理のプロセスなどを説明していただく。1立方処理するのに25000円国庫10割補助の事業だとか。大森先生「ポリで覆っていても、気温差などで収縮と膨張、そして結露が起こるので、薬剤は隙間から出て行ってしまう分が多い。またムシが開ける穴は貫通はしていないので、薬剤が奥の方に届くには時間がかかる。時間がかかる間にどんどん薬は減っていく。薬剤で死滅しないで残ったムシがいた場合、ポリで覆われているので、ムシにとっては暖かく冬越しするのに好都合になっている。なので全然意味がないんです。かえってムシを増やしているような状態ではないでしょうか」少し熱く語った大森先生でしたが、役場の方がいることにも配慮して、「ごめんなさいねえ」と気を遣っておられました。
 その隣の林では、ムシが入ったけどヤニを出して枯れていないナラと、そのすぐ隣で7/10の時点でムシが入った形跡がなかったのに、7/20頃突然ムシがかなり上の方まで入って枯れたナラがありました。議員の方々にもしっかとムシではなくて枯れたナラを確認していただきました。

 その後、町長宅で恵子夫人のキュウリの漬物のおもてなしを受け、ソバ屋「まるいち」で昼食。

 干蒲地区をさっと車中から見て、国道113号を通っていざ激害地の小国へ。高畠から南陽、飯豊町と、ぽつぽつ増え始めたナラ枯れを確認しながら移動。長いトンネルを抜けて小国に入るとナラ枯れが随分と目立ち始めました。子子見トンネルを抜けた所で、下車し、紅葉のようになってしまっている激害の山を見て、一同唖然。「これはひどい」と口々に言いながら写真撮影。
8/24小国激害1

 8月2日に個人的に通った時見たよりもさらにナラ枯れは進んでいて、その進み具合にも凄まじさを感じました。やはり、これは写真だけでなく、実際に生でその場所で見ていただくことで、より深刻さが伝わったのではないかと思います。大森先生によれば、標高が高いほど、汚染物質の蓄積は多く、従って上から順にナラのリンの不活性化が起こり、枯れの進み方もそうなるとのことでした。これは日光で採取した標高別の土壌の分析データからも明らかになっています。

 この場所より少し進んだ箱の口地区付近の、ほぼ山まるごと9割方立ち枯れの木ばっかりになってしまった山、さらに小国の市街地を抜けてすぐの小坂町地区の尾根沿いに並ぶ立ち枯れの巨木の列を見ていただいた後、道の駅で休憩。
 選挙区がすぐそこの黒岩議員とはここでお別れ。
8/24小国激害2


 往路と同じ道を解散地の米沢駅に向けて出発。同じ道でもまた角度を変えてみることになるので、しばし皆車窓からのナラ枯れの風景に釘付け。
 解散間際、車中で参加者がそれぞれ感想を話しました。議連の会長の今野議員からは「話には聞いていたが実際に見てみるとことが大事と思った。色が重なり合って綺麗に見える山ですが、これが悲鳴だと感じて山を見上げると恐ろしい風景に思えた。森はいのち、この源の森の再生ができるのであればそうさせたい。国の方策としてできることは早めにやり、議連としては提言や関係省庁との交渉をしていきたい。」
 大森先生からは「今回はみなさんに実際に見ていただいて酸性雨で枯れていることがわかっていただけて大変うれしかったです」

16:20米沢駅で解散。米沢から七ヶ宿の道中、高畠でもやはり立ち枯れが目立つ場所がかなりありました。
8/24高畠激害
縦に白く爪楊枝のようなものがたくさん立っていますが、枯死して皮が剥けて白骨化したアカマツの林です。

その後、大森先生からメールをいただきましたので、抜粋したものをコピーします。

「 先日は大変お世話様に成りました。お陰様で、広い範囲でナラ枯れの正体を目で見る
ことができました。西から東へ、標高の高いところから低いところえ、枯れが進む様子
も明らかになりました。「河川文化」の本のp.133、表16の山の土のAlの溶出量は、標高1950m
より、標高2240mの土の方が溶出量が多く成っています。標高が高い方が、風の当たる量
が多く汚染量も多く、金属の溶出量も多く、ナラのリン酸の不活性化が早くなると考え
られます。
 親子マツが切り倒された後、出来るだけ早く年輪を見たいと思いますので切られる時
をお知らせ下さい。伺います。本(河川文化その30/硫黄酸化物と樹木の立ち枯れの関係)
のp.138の男鹿半島の63年生(左の中心年号は1944年です)のマツの年輪は時代の汚染
量を正確に示しています。1998年に大陸の工業の発達で年輪幅が減少しているのと、
沖縄の宮古島の琉球マツの立ち枯れの激化が1997からと符合します。宮古島と男鹿
半島では大陸からの距離の差で1年の差が出たものと考えられます。濃度が許容限度
を超えるまでの時間の差と考えられます。
 親子マツは、直径150cmもあり、枯れた年と切られた年が明らかなことは長年の環境変
化が明らかに成ります。宜しくお願い致します。」
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プロフィール

光夫

Author:光夫
酸性雨によって森林が衰退し、樹木が枯れ始めています。これを予防しようと、森を元気にするために、水源の町、宮城県七ヶ宿で、森に炭をまく活動をしています。

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