スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

マツ枯れのメカニズムなどについて@大森先生

大森禎子先生より、松枯れのメカニズム、衰退したアカマツ材の高さ別成分、土壌の酸性化で枯れた松材について、
論考をいただきましたので、大森先生の許可を得て、紹介させていただきます。
具体的で地道な成分分析から、ものごとの本質を明らかにされていく大森先生の姿にいつも感服しております。
化学オンチな方には少々、難しいかもしれませんが、分かりやすく解説されていますので、ぜひご覧ください。
政界だけでなく国だけでなく、環境もひたひたと深刻なことが進行しています。
pdfでダウンロードしたい方はこちらをクリック

松枯れのメカニズム、衰退したアカマツ材の高さ別成分

A 高さ別成分の含有量(%/灰)
採取地:前橋市富士見町石井 個人所有林-採取日:2000.8.19 根元年輪43本 直径21cm
oomori2012-12-3
oomori-2012-12-a.jpg
図A:アルミニウム(Al)は水と吸収されて、樹木の中のリン(P)と結合してリン酸アルミニウム(AlPO4)になります。リン酸アルミニウムは、溶解度表に示すように溶解度が非常に低いので移動が出来ません。シラビソの枝の先端のリン酸濃度を測定すると、5月は前年の2倍、9月は5月の5倍も含まれます。樹木の成長には急速に大量に、Pが必要でも移動できなくなれば、成長は出来なくなり枯れます。


B 水による溶出成分量
Ca(%/灰)、イオン濃度(mg/dm3)-試料10g:水25g、,60分間後の溶出量
oomori2012-12-1
図B:土の中には硫酸イオン(SO42-)が含まれ、Alを溶かして吸収されて、AlがPと結合した後は不用なため、高さ12mまではOに近い値で、先端の15m先で大量に蓄積されています。先端でリン酸が不足し、不用なものが蓄積することは、梢枯れの原因になります。

C 風乾減量(%)-室内で乾燥
oomori2012-12-2
図C:試料を乾燥した時の、風乾減量を示します。3m以下では減量は15%以下で 、6mからは50%を超えています。3m以下では松脂が、目で見ても明らかに含まれますが、6mから上では含まれていません。リン酸不足で松脂の合成が出来なくり、水分だけしか含まれな いので、乾燥量が多くなったと考えられます。松脂が出なければ、虫は主食として好都合ですし、ねぐらの孔も松脂で塞がりません。その結果、虫は大繁殖できます。この近辺のマツ林は、7年後には見渡す限り切り倒され、草に覆われていました。

 植物も動物もリン酸は必須成分で、不足すると成長できません。虫の進入孔が無くても、多くの木が枯れています。原因は、金属イオンによるリン酸の不活性化によると考えます。木を主食とする虫が存在しなければ少し長く生きると思いますが、いずれ成長が止まり、衰退して病虫害の抵抗成分が合成出来なくなり、枯れます。ナラは金属イオンにより、リン酸の不活性化に加えて、タンニンは吸収された鉄イオンと化合してタンニン酸鉄になり無毒化されるので、主食として好都合になり虫は大繁殖できます。タンニンによる渋味は口内のタンパク質と化合する現象で、鉄と化合したタンニン酸鉄はタンパク質と化合できなくなり渋味がなくなります。

土壌の酸性化で枯れたマツ材
立ち枯れたマツの年輪-採取地:群馬県太田市金山城址-採取日:2004.5.29
oomori2012-12-4
 変色は大気染物の硫酸により溶出した二価の鉄イオン(Fe2+)とリン酸(PO43-)の反応による変色です。二価の鉄イオンがマツの木の中でリン酸と化合すると、リン酸第一鉄になり、次ぎに、酸素で酸化されてリン酸第二鉄になるとき暗青色になります。中心と左側が変色しない理由は、左側が落雷により樹皮が無くなり水が根から吸い上げられなく、中心も水が移動しませんから、二価の鉄も運ばれなくて色が付きません。前の表Aに示すように、アルミニウム(Al)とリン(P)が化合すると、その場にとどまっていますがリン酸アルミニウムは無色ですから分かりません。土壌には、鉄よりアルミニウムが多く含まれ、溶けやすくて吸収されます。上の写真の年輪は、1973年から1995年までと、1973年より前と比較すると、左側の色の付かない所も同じように非常に狭く成っています。これはアルミニウムを吸収してリン酸アルミニウムになり、リン酸不足となり成長ができなくなったためと考えられます。その後、二価の鉄の濃度がだんだん高くなり、変色部分が見える様になりました。落雷の後、樹皮を失った分、5年間は年輪幅を広げ、水や養分を吸収しましたが2000年に枯れて切り倒されました。
 二価の鉄イオンは、砂鉄の多い土壌に硫酸が加わると生成します。太田市近辺は、砂鉄の産地で「たたら沼」の地名もあります。この近辺は砂鉄が4.3~5.2%有りました。この現象は岐阜県可児市でも見られ、砂鉄は4.5%有りました。七ケ宿は0.3%でした。

 動物や昆虫の絶滅は、食料と住み家の減少と言われますが、樹木は環境汚染で、リン酸が不活性化して、リン酸不足と同じ現象になり、衰退し、防御成分が減少すれば、病虫害は大繁殖します。1970年代から、虫も入らず、いろいろな植物が枯れていますが、最大の原因は、金属イオンによる、植物の必須成分のリン酸の不活性化によると考えられます。
 さらに、大きな問題が起きています。殺虫剤や農薬による昆虫の減少です。会津のナラ山8ヘクタールの土壌の試料を取るのに、草や灌木をかき分けても、蜘蛛も蛾も蝶もいません。ナラの木には虫孔から樹液が出ても、カブト虫も蜂もいません。兵庫県でも熊森会の方々が山を歩いても虫がいないことに気づかれました。秋田の男鹿半島でも起こっていることが報告されています。蜂蜜の蜂ばかりでなく、昆虫の減少は、虫媒花の樹木の子孫の存続が不可能になり、多くの植物の絶滅が起こります。
 経済発展か、人間を含む動植物の存続方法を真剣に考える時期になりました。
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

光夫

Author:光夫
酸性雨によって森林が衰退し、樹木が枯れ始めています。これを予防しようと、森を元気にするために、水源の町、宮城県七ヶ宿で、森に炭をまく活動をしています。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。